みなさん、こんにちは!
岐阜県にある翔栄ファーム・美濃加茂農場の宮木です。
いつも、私たちが育てた野菜をご購入いただき、ありがとうございます。
師走もそこまで迫ってきていますが、皆さま年越しの準備はいかがでしょうか?
今回は、私たちが育てた小豆についてご紹介したいと思います。
1)農薬・化学肥料不使用の貴重な丹波大納言小豆
翔栄ファーム・美濃加茂農場は、岐阜県美濃加茂市にあります。
木曽川と飛騨川に挟まれた自然豊かなところです。
私たちがここで育てている小豆は、丹波大納言小豆という品種になります。
丹波大納言小豆は、和菓子屋さんが良く使うので、その名前を耳にする機会も多いと思いますが、日本で流通する小豆の内、わずか1%しかない、貴重な小豆です。
美濃加茂農場では、その丹波大納言小豆を農薬・化学肥料を使わず、自然に近い形で育てています。
小豆は、虫の食害を酷いため、農薬を使わない栽培は、なかなか見かけません。無農薬の丹波大納言小豆は、かなり珍しいかと思います。
美濃加茂農場の丹波大納言小豆
⇒ 今年度分の販売は終了しました通販サイトでもご購入いただけます
2)丹波大納言小豆の特徴
丹波大納言小豆は、和菓子によく使われるだけあって、甘く豊かな香りが特徴です。
また、色は非常に鮮やかな濃赤色で俵柄の可愛い形をしています。
お赤飯はもちろん、ぜんざいやおはぎなど、日常の食べ物から吉事まで幅広く重宝できる小豆です。
お赤飯やおはぎに
3)害虫対策に四苦八苦
先ほども書きましたが、小豆の大敵は害虫です。
農薬を使わない翔栄ファームでは、この害虫対策が本当に大変なのです。
まずは、小豆に防虫ネットを被せます。
しかし、ネットを被せても、そこに害虫が侵入することがあります。
万が一、芋虫などが防虫ネットの中で繁殖すると、葉や豆を食べられてしまうので厄介です。
毎日のように畑を見回り、害虫を見つけ次第捕殺…これがとても大変でした。
防虫ネットを使っても油断するとこの通り
4)「はざかけ」で天日干し
虫の害を乗り越えると、ようやく収穫です。
まず、いくつか莢をとって、実の入り具合、豆の生育具合を確認します。
十分、収穫できるほど育っていたら、小豆を根元から刈り取ります。
こうして収穫した小豆は、小分けにして束ねて「はざかけ」します。
「はざかけ」は、昔の稲作の映像などで良く見かけますが、束ねた稲を逆さにつるして乾燥させる方法です。
小豆も束ねて「はざかけ」して、天日干ししました。
「はざかけ」で天日干し
5)手作業で脱穀・選別
十分乾燥したところで、今度は脱穀と選別作業を行います。
シートを引いた上に関そうさせた小豆を並べて、上から棒で叩きます。
こうすると、豆と莢が分離します。
この分離したものを、今度は唐箕(とうみ)という機械をつかって、豆と莢を選別します。
機械といっても唐箕(とうみ)は、昔から農業で使われてきた機械で、動力は人力です。
これでようやく、莢から小豆が外れた状態になりますので、これを水で洗いつつ、水に浮かぶような中身の生育が悪い小豆や、傷がついた小豆を選別します。
そして再び天日干しで乾燥。
もう1回、選別すると、ようやく皆さんの知っている小豆になります。
今では、これらの作業の大半は機械化されていますが、翔栄ファームでは、ほぼすべての工程を手作業で丁寧に行っています。
そういう意味でも、非常に希少価値の高い小豆です。
脱穀と唐箕(とうみ)による選別
6)根粒菌で地力回復
私たち美濃加茂農場は、実は長らく耕作放棄されていた土地を再生させながら、農業を行っています。
小豆などの豆類は、根粒菌といって、根っこにコブのような粒状の塊を作るのですが、この根粒菌は、野菜にとって栄養の塊です。
豆を収穫した後、根っこごと、この根粒菌を土にすき込み、土の中で分解させることで、その栄養が土に入ります。
こうすることで少しづつ地力を回復させていきます。
豆は美味しいだけでなく、農地の回復にも役立つ素晴らしい作物なのです。
豆類の根っこには根粒菌が!
7)担当者より
小豆を育てるのは本当に大変でした。
特に、害虫駆除には神経を使いました。
また、岐阜の農地は長年の耕作放棄で地力が低くなっていたため、小豆の葉っぱが育成中に黄色くなるなど、心配の連続でした。
岐阜農場で作った腐葉土を入れるなど、いろいろと工夫した結果、最後まで育てることができました。
実際に収穫して、乾燥を終えてできる小豆の鮮やかな赤色を見た時には、本当に感動しました。
自分たちで育ててみて始めた知ったのですが、無農薬の小豆はとても貴重です。
ぜひ、ハレの日にこそ、安心で美味しい小豆を食べていただきたいと思います。
私たちの育てた小豆は、お店の店頭か通販サイトでご購入いただけます。
写真は石川早生里芋と