6月に入り天気も不安定、そろそろ梅雨入りでしょうか? 雨が降る日が多くなりますね。一方で気温は上昇してくるのでむし暑い、高温多湿の環境下にいると熱中症のリスクが高まってきます。その日の気温や天気に合わせて、適切な服装を心がけて調節していくことが大切ですが、なかなか体が慣れてくれずに体調を崩される方も多いのではないでしょうか?
食欲がないなどすでに夏バテ気味になってしまった、そんな時におすすめなのが「冷や汁」です。口当たりもよくさっぱりしているので食べやすい、今回はそんな冷や汁についてご紹介します。冷や汁を食べたことがない(作ったことがない)方も今年は冷や汁にチャレンジしてみませんか?
「冷や汁」ってご存知ですか?
冷や汁は即席のかけ汁のことで暑く湿気の多い宮崎県の気候風土の中で根づいた郷土料理です。
暑い夏に、農民が夏の重労働をおこなう際、時間や食欲のない時でも充分に栄養補給ができ、体力を回復させるために簡単に食べられる生活の知恵として伝承されてきました。朝早くから仕事に出かける農家の人々が、残ったご飯に生味噌をのせ、それに水をかけて食べていことが元になり、自然豊かな土地で採れる新鮮で豊富な魚介類、太陽の恵みを受けた野菜や作物など、美味しい食材の持ち味を生かした食べ方として広まりました。
タイやアジなどの魚を素焼きにして身をほぐし、骨を丁寧にとり、白ごまと味噌を入れてすり合わせ、これをすり鉢の内側にまんべんなくぬりつけて炭火の上にさかさまに伏せ、味噌の表面にいくらか焦げめがつくくらいあぶります。これををだし汁でといて冷たくしておき、きゅうりなどをのせ熱いご飯(通常は麦飯)にかけて食べる、これが冷や汁の元祖です。それぞれの家庭の味を大事に食べ継がれ今では健康食として食欲の落ちる暑い夏の夏バテ防止対策の料理として全国的に「冷や汁」の存在が知られるようになりました。
冷や汁って栄養あるの?
冷や汁は健康に欠かせないビタミンBやミネラルが豊富な健康料理です。味噌や豆腐などの大豆加工食品やゴマには、代謝に必要なビタミンB群や、ミネラル(カルシウム・マグネシウム・鉄・カリウムなど)が豊富に含まれているのでエネルギーの代謝を高め疲労感を解消させる働きがあります。これらが減少すると体調がすぐれなかったり、疲労がたまってしまうため暑い夏にはしっかりと摂取したい栄養成分です。
また、発酵食品である味噌には腸内細菌のバランスを整えるために役立つ乳酸菌や食物繊維が含まれているため、 腸内環境を改善し、消化や排便が促進され、胃腸の健康をサポートしてくれます。味噌は摂取することによって肌の保湿状態が良くなり肌のきめも整うなど特に女性にはうれしい美肌効果が期待できます。
冷や汁は冷たくて食べやすくて美味しいだけじゃなく身体に嬉しい栄養素がきちんと含まれている健康食なんですね。
冷や汁の作り方
一般的な冷や汁レシピをご紹介します。材料はお好みでぜひご家庭の味を見つけてみてください。
【材料(4人分)】
いりこ(アジ、タイ、さば水煮などでも)30gくらい
味噌 大5
ごま 大2
ピーナッツ 大2
豆腐 1/3丁
きゅうり 2/3本
大葉 2~3枚
みょうが 1~2個
しょうが 少々
お湯(人肌程度) 400ml
温かいご飯(麦飯)茶碗4杯ほど
1.ごまといりこは頭と腹わたをとってフライパンで炒ります。
2.すり鉢でいりこ、ごま、ピーナッツ、みそをよくすり合わせ、豆腐を手でつぶすようにほぐし混ぜます。
4.3.にお湯400ml(味噌汁より濃いめ)を入れ溶かします。
5.輪切りにしたきゅうり、お好みで青じそ、みょうが、しょうがなどをみじん切りにして加え冷蔵庫で冷やします。
*味噌にすり混ぜず最後に豆腐、きゅうり、薬味類をいれても。
5.冷やした汁を温かいごはんにかけていただきます。
更に一手間!
すった具材をアルミに薄くのばし、トースターなどで焦げ目をつけると香ばしくなります。
ご飯のかわりに!おすすめアレンジレシピ
冷や汁にご飯(麦飯)の代わりにうどんやそうめんなどを加えても美味しいです。
実際に、埼玉の郷土料理として「冷や汁うどん」というものがあります。こちらは混ぜ込まず、冷や汁をつけ汁にしていただくようです。つるんとした喉ごし、さっぱりとした口当たりが暑い気候にぴったりです。魚の身を入れないのが特徴で、代わりに蒸した鶏胸肉や温泉玉子などをトッピングしていただくそうです。
お魚焼いたり具材すったりするのが面倒くさい?
水で溶かすだけの「冷や汁の素」が便利です!
お魚を焼いたり材料をすったりとちょっと面倒くさいと感じた方におすすめです。手軽に水を入れて溶くだけで本格的な冷や汁が作れちゃう「冷や汁の素」を使いましょう。薬味はお好みで加えるとさらに旨味がアップします!
さば水煮などを入れるとさらに栄養価が増しますね。